僕とコードとブルーハワイ

omega (@equal_001) の日記

OSC 2018 Hokkaido に今年も参加してきた+札幌旅行ログ

OSC Hokkaido

www.ospn.jp
おそらく北海道で一番大きいITイベント. 毎年500名以上が来場する. 今年はもっと多かったようだ.

私は学生の頃から参加していて, ちゃんと計算したら2012年から7回連続で参加してた.
去年は参加するだけだったけど今年はLTをしてきた. 来年はそろそろセミナー講師をやりたい.

Day1

夕方に札幌駅に到着. 友人たちとお茶をした.
札幌の友人たちがほぼ同じ時期に子供を出産していて, 4人とも女の子という奇跡を成し遂げた話を聴いたり, 赤ちゃんたちを膝に乗っけてふにふにしたりした.
その後OSC前夜祭に途中参加して石鍋亭で恒例のニラタワーをしてきた.

Day2

OSC本番という感じ. Day1は行けなかったので色々見て回った.

遊びに行ったブース

  • LOCAL 学生部
    • 大変よい技術書だったので, 興味ある人は私に「読ませろ!」とメッセージください.


  • OpenStreetMap Taiwan
    • OpenStreetMap の紹介とデモをしてくれた
    • どんどんデータが溜まっているようで、タイ国は3年前くらいは何も無かったのに今ではバンコク周辺なら結構なデータが入っていた
    • APIを叩く制限みたいなのは特に無いらしく, それなりの回数なら普通に耐えられるらしい
  • 株式会社レピダム

聴いたセミナー・聴きたかったセミナー

  • サイボウズOSS活動ポリシーを作った話
    • 著作権帰属のルールはシンプルで、上長から明確に指示を貰って作成したものと会社の機密情報的なものじゃない限りはokみたいな感じだった(うろ覚え)
    • あんまりルールつくるとみんなOSS化してくれないのでそれなりの議論を重ねて削りに削ったらしい

LT大会

「もしかするとこれが本編では?」と錯覚するくらいOSC HokkaidoのLTは毎年ハードルが上がっている気がする.

Ejectユーザ会とLOCALが10周年を迎えたり, 20年前のWeb系最新情報を淡々と解説している人が居たりと今回も個性豊かな発表だった.

私もLTした.
docs.google.com
近年にしてはわりと早めに発話したけど5分オーバーしてしまった.
北海道だと周囲の人たちに壁を感じること無く素で話せるので, 人前で喋って純粋に楽しかったのは久し振りだった.

最後は富良野で教育をメインにIT活動をしているtomio氏がトリだった.
彼はFuraITという地域に根付いたITイベントを定期開催しているので, 富良野近辺に遊びに行く予定のある人はFuraITに参加して欲しい. 学生たちと一緒に,電子工作やプログラミングを純粋に楽しめるイベントです (勝手に宣伝).
furait.connpass.com

大懇親会

過去最高の参加者数だったらしい. 私も過去最高に色んな人と会話した気がする.
毎年, 企業グッズや本が景品として出されるじゃんけん大会をやっていて, 折角なのでと「いちばんやさしいPythonの教本」を1冊献本した.

一度は東京でも会える友人の手に渡ったが, 大人力が発揮され本は室工大の学生さんのところに落ち着いた. 彼も イラスト図解でよくわかる ITインフラの基礎知識 という本を献本していたので, お互い本を購入してサインをし合おうぜ!という話になった.
とてもありがたいことに「この本を読んで勉強中です!」という方々がいて, 3回くらいサインを書いた. 緊張と普段文字を書くことがないことでうまく手に力が入らなかった.
びっくりしたのが 「本を持ってきてないのでスマホケースに書いてください」だった. 本当にいいの?!と5回くらい聴いて, 変な汗を書きながら名前とメッセージを書いた.
これからもいちやさPythonが色んな人の学びの手助けになると嬉しいな.

関係者懇親会2次会

珍しく年齢の近しい人達と会話していた気がする. 今年は本当に学生が多くて嬉しい.
来年のOSCをもっと楽しくしたい北海道の学生さんを募集中とのことなので, みんなやっていくと良いと思う.


12時前には無事に宿へ戻りました.

感想

今年は学生さんが多かった印象. 毎年参加していると同窓会みたいな感じになっていつも同じ人と喋りがちだけど, 今回は新しい人達とたくさんお話できたのが一番の報酬だった.

飲食

OSC二日目は毎年友人と近くの回転寿司屋にいっていて, 今年も寿司を無事ゲットできた. 毎年食う量が減っている気がする.
ちなみにこの店のポイントカードの有効期限は1年なので, 年に1度しか来ない私がこれを利用しようとすると, 来る度に発行と失効を繰り返すことになる.

昔からある札幌のおにぎり専門店. ありんこのおにぎりはめちゃくちゃ美味しくて, 札幌に住んでいた頃は結構行ってた.
札幌に行ったら是非立ち寄って欲しい.

新千歳空港は東京ではあまりみない珍しいお酒が置いてある大きい冷蔵庫です.


以上.

PyconThailandでDeodjangoについて発表してきた + タイのアレコレ

6/16 ~ 6/17, PyconThailand に参加してきた.
th.pycon.org

そろそろ海外カンファレンスで登壇する経験をしたかったのと, 現在所属している会社のサービスがタイにも進出しているので色々丁度良かったという理由で応募した.
発表言語が タイ語 or 英語 だったので自動的に英語で喋ることになった. タイ語は難しい.

PyconThailand

PyconThailand自体は今回が第一回目とのこと.
スタッフは現地のエンジニアと海外で働いているPycon常連メンバーで構成されていた. Co-OrganisedのTHAI PROGRAMMER はタイのプログラマコミュニティらしい. あまり活発ではなさそうだけど, メンバーはこれから盛り上げて行きたいぞと言っていた.
思ったより海外の参加者が多かった, 1/4くらいは海外勢だったのでは.

タイのプログラマ・IT企業事情

プログラマの数はまだまだ少なく, コンピュータ・サイエンスの学位を持った人は外に流れることが多いらしい.
タイが本社の有名な企業とかはあまりないらしい. WongnaiとKaideeは名前は聴いたことあるけど, 確かに他に何かあったっけとなる. ローカライズされたアプリとかは結構あるらしい, 詳しいアプリ名とかは聞き逃した.
でもスタートアップは増えつつあって, 去年にはタイ国主催でスタートアップのイベントをやったりしていた.
こちらのブログにイベントの様子が詳しくまとまってたのでリンクを貼らせていただく.

Day 1

会場ビル
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7:30からPyLadies Breakfast があったけど起床に失敗したので行けなかった. スタートが早い.
Keynoteはpandas開発者のWes McKinney氏. 午前中は現地にいる同僚と会う約束があったので聴いてないけど, 後で動画が上がるとのことなのでそれ待ち.


個人的に一番楽しかったのは、「Hy: Running a webapp with LISP on Python」というLTだった.


狂気からイカのキャラクターがクトゥルフの一種に見えてくる.

Official Party
地元のクラブでの開催で, 尋常ではない量のピザと1drink無料ビールが提供された.
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せっかくの場なので自社アプリについて聴いたり勧めたり, タイのプログラマ事情について聴いたりしていた (→ タイのプログラマ・IT企業事情).
そのあとは何故かリタイアしたおじいちゃんエンジニアと孫の写真を見たりタイの観光地について教えてもらっていた. お互いPythonistaを知っていたので色々実行したりしてちょっと遊んだ.

パーティ開始1時間くらいしたところでDJが爆音でミュージックをかけはじめて会話が困難になったのでホテルへ戻った.

Day 2

この日は自分の発表があった.
CFP
Powerful geographic web framework GeoDjango

スライド
docs.google.com


発表時間が最後ということもあったが, 技術的な内容を英語で話すという経験がほぼ無かった為かなり緊張した.
緊張しすぎて発表者noteに書いてあった喋ることリストをすっ飛ばしまくり, 結果かなり発表時間を余してしまった.

昨日からお腹の調子がおかしくて, 発表を聴いてはトイレに行くみたいなことをしていた. トイレに行く度に受付前を通らなければならず, スタッフと目があう度に気まずかった.
原因不明だけど, タイの氷はそこらへんの水を使っている可能性あるので危険だよと教えてもらった. カンファレンスのfree drink ticketで飲んだThai teaの仕業だと思っている.

あと緊張と腹痛で体調が最悪になってあまり発表聴けなかった.

実際にやってみて

  • 人間, 緊張しすぎると頭が真っ白になり, 何を言っているのかわからなくなることがある
  • あまり綺麗でない発音の英語を聞き取れなくて質疑応答がお葬式になった. 金を払って聴く英語は綺麗, 現実は厳しい
  • ランチ時間にスクリーン繋ぐ練習とかしておいたほうが良かった. 緊張も相まってかなりもたついた

完全に失敗したと思っているけど, 自分の英語で発表するときのレベル感がわかってよかった.

今後

  • 緊張せずに話せるようにメンタルコントロールできるようになりたい. 精神の安定を得るにはたくさん練習して英語での発表経験を積むしかなさそう.
  • 次はPyConAPACで登壇したい

その他

  • スタッフ曰く参加者は200名くらいだったらしい
  • 日本から来ていた知人が4人くらいいてあまり寂しくはなかった. 今回で海外勢の知人が何名かできたので, 他のPyconでまた会えたらいいな
  • 英語がんばらないといけないのかと思っていたのだが, スタッフに日本語が喋れる人がたくさんいたのでそんなに英語喋らなかった

飲食


私の友達の友達のお店. みんなタイに行ったら是非寄って欲しい.




他にも色々写真撮ったけど載せるのが面倒なので割愛.

気が向いたらタイでの生活について何か記事を書くかも.

健康

健康的に痩せた.

2ヶ月くらい大江戸線のあの大変長い階段を昇り降りをし続けていたら, 特別なことはしていないし寧ろ飲酒量とか増えてるのに体重が3kg減って謎に腹が引き締まってウエストが5cm細くなった. 長時間座っていても疲れなくなったし, 集中力がアップした. あと前よりもポジティブになった気がする. 筋肉量が増えた上で体重が落ちていて, いい感じに健康的に痩せている.
前に女医から「脹脛は第二の心臓で, 意識的に動かすことで血液の循環が良くなる」と言われ, 先生のとても綺麗な御御足を見せられて以来, 私も階段を登るようにしている.

大江戸線がどのくらい深いかというと, ある駅ではホームから改札を出るまでにカップラーメンができたり, 大江戸線深すぎ.com というサイトが作られるくらい.
私がよく使用する駅は深度21mくらいで他の駅よりは浅いらしいんだけれども, それでも階段を使って登るとホームから地上まで4分はかかる.

大江戸線だけでこんなに効果が出るか?と思ったけど, 自宅(4階)も階段を使っていて, それ以外の場所でもできるかぎり階段を使用している. 集団行動中にみんながエスカレータを使っていても協調性を無視できる範囲内で階段を使用する(元から協調性は無い方ではあるが). 階段の昇り降りだけでここまで効果が出るとは思っていなかった.

どこまで体重が落ちるのかわからないけど, 今も週一単位でみると少しずつ数値が減少していて嬉しい.
知人の優秀なエステティシャンに「バランスよく痩せればもっと魅力的になるのにどうして努力しないの?若さでカバーできるのは今のうちなのよ?老化を舐めてるの?うちに来たって一時的にしか細くならないのよ?」と煽られ続けて早5年経過しているので, このまま健康的なダイエットを続けていこうと思う. 遺伝で下半身の肉が落ちづらいのでどうにかして綺麗なスタイルに持っていきたい. モテたい.

いま思ったけどこれ, 他の運動を取り入れたらもっと筋肉量が増えて肉の落ちるスピードが加速するのでは.
とりあえず社のヨガ部に入って頑張らない程度にジム行くことにした.

ミスコミュニケーション

なんか最近, 人生で一番ミスコミュニケーションが発生していてやばいなととても思う. ハッキリ物事を言われないとわからなくて「何故あの人はこういう態度をとっているんだ?」となり, 曖昧な状態で真意が宙ぶらりんとなった結果, あの人は意図的にそういう曖昧な状態を選択しているのだな, と結論付けてしまう事が多い. だってずっと接していてそういう言動が続いている中, 何故そういう態度を取るのか問うてみても曖昧な返事しか返ってこないのであればそう思うしか無かったのだった. 果たしてこれは私だけが悪いのだろうか. 2度も明示的なリクエストを送ったのにその度に明示的なレスポンスを返さなかったら受け手側はそう解釈する他ないと思う. 根気よく何度もリクエストを投げれば下手に問題を発生させずにすっきりと解決したのだろうか. 曖昧な部分が1つだけならまだ認識の齟齬は小さかったのかも知れないが, 今回は二つも三つもあって, 私からすると一貫して曖昧さが目立ったため, 私は相手側が曖昧な状態を保持したいのだと結論づけた. この考え方は駄目だったのだろうか. もっと優れた観察眼があればミスコミュニケーションは生まれなかったのかな, 私の能力が低いせいなのかな. こんなことは今まで滅多に発生しなくて, 何故今こんなに積み重なってしまっているのか本当にわからない. わからなくてどうすれば良いのか色々考えて, システム開発と同じで, 結局は曖昧なデータを返されたらフロント側でデータを加工していい感じに解釈するしか無いんだろうなと雑に想像した. でも仕様がわからないので結局ちゃんとしたテストは書けなくて, 自分の第六感みたいなもので「これはassert_trueだな」と一つ一つ想像でやっていくしか無いなと思う. じゃあサーバ側のロジックを見てみるか, となるけれど相手側のサーバ(脳内)には入ることはできないし, 何が正しいデータなのかも確認できない. お手上げなので, やはり解釈可能なデータが返ってくるまで根気よくリクエストを送り続けるしか無いのだろうなと思う. こういうのが積み重なると, 部下と上司の平行線の対立が続いて離職に繋がるんだろうなぁと思った. 私は割と 良い/悪い/好き/嫌い の意志を日常的にハッキリ伝える方だしそういう人たちが周りに多かったので, 曖昧さに慣れていないというのもありそう. 曖昧な状態がとても居心地が悪くて落ち着かないし, そういった態度を本人が無意識にやっているのか意識的にやっているのかの区別をうまく付けられない. 以前はこんなことで悩むことが無かったので, なんだかどんどん人間性が失われている気がする. 色々人生相談したときに「omega氏, ようやく人間性が生まれたね」みたいな話を知人とした矢先にこれで, やはりダメなのかもしれない. 正直どうしたら治るのかちょっとわからないんだけれども, 今回色々考えてみてわかったのは, 自分は割と他者の行動への意味解釈に対して人よりも視野が狭く, 短期間のうちに限定的な情報で解釈の結論を付けがちという点で, 深く内省した. やりたくて勘違いしているわけでは決して無いし, 正直同じ過ちを二度と繰り返したくはないので, ロジカルシンキングのアプローチからどうしようもないミスコミュニケーションを無くしていきたい. あと人間性を養いたい.

2017 -> 2018

振り返り。

2017年

総評

40/100点
特別な努力はせず、
今までの能力でふわふわとやってきた感じ。
めちゃくちゃ脳を使った後の、あの気持ちの良い疲労が無かった。
エンジニアリングの分野で熱意持ってやりたいことも特に無かった
ので、40点。

2017年やったこと・学んだこととか

  • TreasureDataで効率の良いクエリそこそこ書けるようになった
  • TreasureDataのdigdag使った
  • Python本書いた
  • ユーザの行動分析やった
  • ユーザにとっての価値とは何かを考えてサービスに落とそうとした
  • PyQtで業務用アプリ1つ作った
  • 仕方なくPHPとZendFramework 2を触って色々学んだ
  • 仕方なくWebViewについて少し学んだ
  • PHP->Python移行とかやった

他にもやった気がするが記憶にない。
別の趣味に時間を多く割いていたのでQOLは高かった。


2018

2018年(前半)でやること・やりたいこと

  • Kotlinでまともに動作するWebアプリケーションを作ってみる
  • Real World HTTPを業務で使えるレベルまで理解する
  • いくつかのDesign patternを"使える"ようにする
  • Djangoのコードを読んでWeb Application Frameworkへの理解を深める
  • Frontendのレベルを人並みにまで上げる

他の分野は今まで通り進めるとして
エンジニアリングでやりたいことはこのくらいしかない。

  • 旅行たくさんする
  • 実験をどんどんやっていく
  • おいしいご飯食べる

今年も静かに知識を深めていこう。

喋れば喋るほど

ドツボにハマる

これで良いのかい?

本当にこれで良いのかい?





この記事は DARK Advent Calendar 2017 17日目 です。
なんでも書いて良いよって主催が言ったので自分の好きな曲を紹介します。


背景、

皆さまいかがお過ごしでしょうか。
クリスマス・イブもあと1週間後に迫ってまいりましたね。
巷では彼女できないエンジニアアドベントカレンダーが流行っていますが、絶賛恋の駆け引き中エンジニアとかも居るんじゃないかと思います。
そんな今日を思う時に聴きたくなるのが、「12月17日」。

12月17日

といえば、
クレイジーケンバンドの名曲「12月17日」
僕の大好きな「龍が如く 2」というゲームのエンディング曲でもある。

Amazon Prime会員なら無料でAmazon Musicで聴くことができる。
クレイジーケンバンド 12月17日

クリスマス・イブを目前に控え、曖昧な関係の男女が、夜の海までドライブへ。
ハッキリさせたいけど、口喧嘩になったり黙り込んだり、喋れば喋るほど時間は過ぎて行く...。

このサイトさんでも書かれているが、
まさに「濃密な車内空間系の曲」「車のヒーター感を大事に」という表現がぴったりの曲。

最初にこの曲を聞いたのは2008年くらいで、自分はまだガキ臭い高校生。
この曲に出てくるような曖昧な二人の関係的なものなんて体験したことなんてない時代。
でもなんとなく、この緊張感や情景が想像できて、良い曲だなぁ〜なんて子供ながらに思った記憶がある。

時は流れて10年後。ちょっとは歌詞の意味を咀嚼できる歳になった。
伝えたいけどなんとなく重い空気に流されるあの感じ、
一歩進むより今の関係のままがいいんじゃないかという気持ち、
わかる、わかるぜ・・・。

あの何とも言えない雰囲気が、この曲に凝縮されている。


駆け引きを終えた人、あるいは

これから誰かに会いに行く人。

このくだらない記事を書いている今でも、どこかで様々なドラマが作られているんだろう。
舞台は鎌倉とか山下公園あたりで、海を眺めてさ。

そんなことを妄想しながら、この曲を口ずさんで窓の外を眺める。

積読本 AdventCalendar 1日目

この記事は 積読本 AdventCalendar の1日目です。

adventar.org

読んだ本

なぜ、出来る人から辞めていくのか? モチベーションを左右する本当の理由

最近、身近でバンバン辞めていく人が多いので読んでみた。
その感想とかダラダラと述べる。

以下、本の内容について触れているのでネタバレ的なものが嫌な人は読まないほうが良い。

本の概要と感想

対象読者層は「部下を持つ社会人」だった。
前半の方では、「会社」という仕組みの成り立ち、部下が転職を決意する瞬間はどこにあるのか、モチベーションを上げるためには上司としてどういうアクションをしたら良いのか、といったことが述べられ、最後の章で、チームで仕事をして成果を出していく大切さや喜びについて書かれていた。
筆者が本当に言いたいことは最後の章に詰まっているのではないかなぁと思う。

ーーー
まず、この本でいう出来る人とは「いつでも舵取りの上手い船(会社)に乗れるくらいにはスキルを持っている人」だと思われる。
その前提を明記していないので、このタイトルは少し商用的な施しがなされているなと感じた。
全体的に「あるある」が多かったが、その「あるある」が発生する理由や対応が体系的に纏まっていてスラスラ読めた。
目次を見ればだいたい内容がわかるのと、各章のまとめがあり、ポイントは太い黒字で書かれているので、かいつまんで読むのが楽。


1章「会社に所属する理由の変化」で、会社は人の欲望を満たすものであり、昔は「食欲」、今は「自由」を欲しているという切り口で語られているのはなかなか良かった。
ただし、これは同じような文化・教育・生活レベルにいる人たちの間の話であり、別の国では安定的に安全な食を手に入れたいという欲望が大部分なのではないか。なので、この本に書かれている内容はどこでも通用するかというと、微妙かなと思う(例として、中国は独特の価値観を持っているので彼らの流儀を知らないと商売がうまくいかないというのは有名な話である。)。


2章で書かれているのは、辞める決意をした人間を引き止めるのは難しい。が、予兆はどこかしらから出ているはずなので、普段から部下の言動をみておこう。もしヤバそうな感じだったら目線を変えてあげるアクションを取ろう、といったところ。
転職を考えている人がいいそうな事みたいなのがかかれていたけど、今色んな所でよく耳にするワードが入っていて少し笑ってしまった。
組織や上司に対する不信感、評価制度の不透明さ、社内スターの欠如、当事者意識の欠如、社への既決感...

個人的に、部下の様子をみるのって上司自身が余裕が無いとできないだろうなと思う。
小さなサイレンを聞き分けるには、センスや人身を読むスキルが必要。
対話の時間をとるために1 on 1みたいな文化があるのだろう。
でも、そもそも上司が信用されていなければ対話をしたとして不平不満は上がってこない。


3章のメインは、仕事の意義をどう作り出していくかということだった。
でも個人的に面白かったのは、近年では「父性的な概念で強制的に全体を動かすやり方」→「個人に選択の自由を委ねるやり方」に変わったという点。
本でも触れているが、時代によってこの2つが行き来している。今は後者の方だけど、年代によってこれに気づいていない人も本当にいるので変な争いが起きたりもする。
あと、人材流出の失敗をした時に「失敗への対処」「失敗しないためにはどうすればいいか考える」まではやるけど「失敗を生み出した構造そのものの改革」までしないと二の鉄を踏むよねという話も書いてあったのも良い。強いて言うなら「構造改革に終わりはない」という点も付けてほしかった(平和とは問題が問題とされない束の間のことをいうのだ)。

構造を変えることは、全体と細部をみる力がないと難しい。
時間が無い・余裕がないというエクスキューズを述べて付け焼き刃の修正をするにとどまることがほとんど。今の会社もそういう面がある。
ここで同僚の一言をあげよう。「バケツの穴を埋めずに流入を増やそうとする傾向にある」


4章は部下が変わるようなアクションについて述べている。
良い部下は良い上司から生まれるという。これには賛成だ。無能な上官が優秀な部下を殺してきた例はごまんと存在する。
この本は、まずは上司であるお前が変われ、という。部下を気持ちよく働かせるために自分がとるべきアクションを心得よ、という話。
このあたりは心理学的な分野にも噛むが、そんなに専門的なことは書いていない。ロールモデル、ライバル、スポットライト効果といった有名どころを紹介している。
この手の話についてもっと詳しく知りたければ、「How to Win Friends and Influence People(日本語タイトル:人を動かす)」という、日本の国民性が強く反映された邦題が付けられたDale Carnegie著の書籍を読むと良い。

本書がいうには、モチベーションの高さは「目標の魅力」x「危機感」x「達成可能性」によって決まるらしい。
なるほど、いわんとしていることはわかる。
危機感は諸刃の剣ではないかなと思う。不満が増大するきっかけにもなる。燃え尽きてしまう人を多く見てきた。
まぁ逆もあって、連帯感を植え付けるチャンスでもある。


5章は、社の人間とは運命共同体であることを認識し、チームで助け合い成果を分かち合って働く土壌を作ろう。良い影響力を与える上司になろう。という感じの事が書かれていた。
土壌づくりは大事だなぁとつくづく思う。人(チーム)に合った土壌づくりをするのが腕の見せどころなのではと思う。
筆者が一番主張したいところって、たぶん5章につまってるんだろうなーと感じた。



全体的に簡潔な文面で、読みやすかった。
長期的に改善したほうがよいことと(考え方とか)、すぐに行動に移せるようなこと(部下へのアクション)が書いてあったので、わりと良書なんじゃないかなと思った。
とりあえず、会社に一冊入れておいた。