僕とコードとブルーハワイ

omega (@equal_001) の日記

本がうまく読めなくなった。原因と対策

この記事は実験的に、
わざと段落をつけたり文章を細かく区切って書いてます。



Twitterで本が上手く読めなくなったことを書いたら、どういうことかと数人から問われました。
この記事は、文章が上手く読めなくなった人/それがどういうことなのか知りたい人 が
何か参考になればと私の事例を書いたものです。

本が読めなくなった。

一年半前にとあることがきっかけで私は心身ともに不調をきたし、一ヶ月ほど休養をとり回復しました。
でも後遺症が残りました。
その一つが、本がうまく読めなくなったこと。

本が読めないとはどういうことか


前までは、
本を手に取り、目次をみて、文字を順に追って頭の中で意味を取りながら読み進める。
これが普通にできてました。

でも今は、
本を手に取り、目次をみて、内容が頭に入ってこず何度も同じところを読み返す。
そして疲れて、本を閉じる。

似た経験をした人は「頭にモヤが掛かったようだ」と表現します。私もそう感じます。
文字が浮く/文字がすべる/文字に目移りする という表現をする人もいます。
文字は認識できるし意味もわかるけど、頭に入ってこない。

今もこの症状に苦しめられています。

原因

記事を頑張って読んだり、専門家に相談したところ、
一言で言うと「集中力が大幅に欠如したため」だそうです。
詳細を書くと、脳内の各機能を繋げる情報伝達物質が減少しているみたいな話になるけど、長くなるので割愛。

読書は、
文字を認識しつつ/文字と文字の意味を繋ぎ/一つの意味のある文として解釈する

これをリアルタイムでやるのですが、活動が抑えられた脳にとっては負荷が高い処理なんです。
人が情報伝達ツールとして文字をこれほど使い始めたのは比較的最近のことで、
脳が文字を認識するためには、音声を認識するよりも複雑な処理が必要とのことです。


文字を読むときの脳の動きについては、以下の本が参考になります。
当たり前のようにできている「読む行為」がどうしてできないのか、少し理解できると思います。

プルーストとイカ―読書は脳をどのように変えるのか?
本を読むときに何が起きているのか  ことばとビジュアルの間、目と頭の間

読むのは厳しいかもしれないけど、私は「音読」してなんとか7割は頭に入れられました。


本を読むために。

読書が好きだったので諦めきれず、なんとか以前のスピードで読める方法を探していました。
実は本だけではなく、ドキュメントや記事もうまく読めなくなっていました。
そこで、自分がどういう常態か観察することにしました。

自分を観察する

この一年半、 自分ができていること|できなくなったこと を観察しメモしてました。
それをまとめたのが以下のリストです。

※ 文字の羅列なので、文字が上手く読めなくなった人には読みづらい可能性があります。


できていること

  • 使い慣れたプログラミング言語で書かれたコードを読む
  • 自分が書いたコードや文章を読む
  • 説明の短いドキュメントを読む
  • 図解が付属の文章を読む
  • 漫画を読む(文字が多い系は厳しい)
  • チャットやツイッター等の文短く完結している文章を読む
  • テンポよく物事を解説している動画を観る・聴く


できなくなったこと

  • 一つのトピックについての長文を流れるように読む
  • 新聞のように一枚紙に文字がぎっしり詰まった媒体の文字を読む
  • 自分にとって最適でない大きさの文字で書かれた本を読む(大きすぎたら1つの文章が視界に入るよう目から離して読みます)
  • 意味のまとまりが曖昧な切り方してる間の悪い文章を読む(下手な文章に気を使えなくなった)
  • 文章を淡々と朗読しただけのものを聴き続ける

傾向をみてみる

上記の振り分けから、いくつか傾向が見えてきました。

① 前提知識があるものはあまり苦なく読める

プログラミング言語/過去学んだ分野の記事はあまり苦なく読めます。
おそらく、「記述方式や文章のパターン」が脳に入っているからではと考えています。
パターンがあることで、脳内処理の負荷がさがっているように感じます。

② 絵や図解が多いと読める

目で見てパッと全体や言いたいことがわかると、理解がかなり楽になります。
漫画もそうです。
文字を意味のある事象として脳内で構築することは、やっぱり負荷が高いのだと感じます。

③ 短い文章は読める(300文字くらいの塊)

「小さく意味が区切られた文章の集まり」だと読めると気づきました。
オチが250文字の短さで区切られているから、ツイッターの短編小説系は読める。
長文さえこなければチャットメッセージも読める。

④ 音読すると読める

音読すればまだ読めると気付いた時、感動して嬉しくてひとり泣いた記憶があります。
・発話することで文章に注意を引き付けていられる
・脳は最終的に音で認識している
この二点が上手く作用していると考えています。

対策をする

私の傾向から、本の内容を頭に入れるために以下の工夫をしています。

  • まずは普通に読んでみて、駄目だったら音読する
  • なるべく図解の多い本を選ぶ
  • 本は内容が連続的に続いてるが「自由に区切って読んでも問題ない」と自分に言い聞かせる


特に音読は一番効果がありました。
私の場合、発話した時に頭に入ってこなくても、音が頭に残っているのでそこから時間差で理解をしていました(うまく説明できない)。

また、何となく読めるけど意味の解釈に時間がかかる場合は、図を描くようにしています。
文字を読み直して脳内で考えるのではなく、図上で考えるようにします。

もしやったことなかったら試してみてください。楽になるかもしれません。

おわりに

色々対策した結果、なんとか読書はできています。
でも、一日一冊読めていたあの頃と比べると不自由さを感じます。

上記は私の事例です。
人によって 自分ができていること|できなくなったこと の傾向が違います。
こんなケースもあるくらいで、参考にして下さい。

同じく本がうまく読めなくなった人へ

まずは専門家に相談して下さい。
科学的に自分の状態を知ることで、一人でもある程度は対策が取れるようになります。

時間がかかっても大丈夫です、生きていけます。
自身をじっくり観察し、自分にあった方法を見つけて下さい。

本がうまく読めなくなったことがどういうことか知りたくてたどり着いた人へ

自分が陥ったことない感覚が書かれていたと思います。
擬似体験をしたいのであれば、イライラしているしめちゃくちゃ頭を使ってもう何も考えられない!何しても気が散る!という状態で自分の苦手な分野の小難しい本を読んでみて下さい。
全然頭に入ってこなくてもどかしくて文章と向き合うことに疲れてきます。そういう感覚が毎回来る感じです。

どうして知りたくなったのかわかりませんが、
もし周りに困っている人がいて何かしたいと思っているのであれば、まずは相手との距離感を考えつつフォローしてあげて下さい。
軽い友達だったら「勉強方法に悩んでるの?そういえば教科書を音読して覚える方法もあるんだってよー」くらいで良いかもしれません。
親密な関係であれば、相手と傾向を分析し、対策を考えてあげると良いかもしれません。
これは時間がかかる問題なので、無理にやり方を押し付けず、ゆっくり見守ってあげて下さい。

なんとなくこの記事にたどりついた人

もし周囲に自分と違った読み方をしている人がいて、読むのが遅いな、変だなと感じいていても、そっとしておいてあげてください。
その人はそういうスタイルで読んでいるんです。
世の中は広く、様々な人がいます。何でもかんでも万能にできる人っていないです。そういう人もいるんだなーって思ってください。