なぜ、あなたの仕事は終わらないのか
最近時間の使い方について考えたり工夫したりすることが多いので読んでみた。
容易な言葉遣いで書かれているのでサラッと読める。
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筆者はこの本で「読者が仕事を終わらせるようにするのが仕事」と言っており、そのために筆者独自の仕事術を教えてくれたり何故仕事が終わらないのかを解説している。
また、仕事を先延ばしにするということは自分がやっていて楽しいことではないのでは?と考えるキッカケを与えてくれる本であり、仕事術についてというよりかは、一度しか無い人生において、本当にやりたいことをやるための時間的余裕を作るための本でもあった。
この本では、最初に何故仕事が終わらないのかを解説している。
一つの原因として「時間に余裕があるからと作業を先延ばしにして締め切り直前に焦ってやったはいいが見積もりが甘くて結局終わらない」という点をあげている。
非常に耳が痛い。
「他の細々した仕事もあるし締め切りまでまだ時間があるから後回しにしよ〜」って放置してたらあっと言う間に時が経ちギリギリで追い詰められるパターンだ。
徹夜して乗り切ったとしても、健康を害するだけでなくその後のパフォーマンスが悪くなり悪循環を生む。
このように、ラストスパート型は百害あって一利なしと言い切っており、真逆のロケットスタート時間術を実行しようといっている。
そのロケットスタート時間術というのは、以下の4点にまとめられる:
- 全ての仕事はもらったその瞬間に取り組み、見積もりをして絶対に終えられる納期を導き出す
- 最初に与えられた時間のうちの2割、例えば猶予が10日間であれば最初の2日を見積もり期間にあて、8割完成まで持っていく
- 全力で取り掛かっても8割まで出来なければ、10日で完成させるのは難しいので納期を延ばしてもらう
- 疲れたら素直に仮眠を取る(18分が最適)&マルチタスクをやめるを守って仕事の効率を上げる
とにかく「期限までに仕事を終わらせるのが我々の仕事」なので、きちんと時間をとって見積もりをして納期までに終わらせられる見通しを立て、他の仕事が入ってきたとしても後ろの余裕ある日程内で流しで作業できるまで持っていくところまで出来たら大体の仕事は終わるよ、とのことです。
この話は受託開発時代に勉強させられたことに近かった。
タスクが出来るかどうかを聴かれた時、ちゃんと事前調査しないと難易度がわからないから、少し時間掛かってもいいからちゃんと見積もり出してねといわれたことがあった。
今の職場はあまり期限がないので見積もり忘れがちだけど、自分で期限を決めて物事を進めるのもベーシックスキルだと反省。
で、この全力で取り掛かるのはどうするの?という点も方法を解説していて、
「ドラゴンボールの界王拳を使うイメージを脳内で浮かべてから(想像することが大事)取り掛かる」とのこと。
界王拳は体中の全ての気を集中させることで一時的に強くなる技らしい。神之塔でいうクン・ランが雷弾食べて数分間強くなるやつに似ている。
要は外界からの割り込みを一切排除(メールやチャットも無視)して仙人のような状態になり本気で作業しようという話なんですが、
毎日20件くらいメンション飛んでくる身としては、2日間も連絡無視すると問題になるのでちょっと真似するのは厳しいなって感じ。
それってつまりは複数の仕事を抱えている状態ということなので、私の場合は後述する「1日をヨコに切る」をやると良さそう。
先の例だと10日間という短い期間の話だったが、納期が1年など長期の場合は仕事をタテに、
複数の大きな仕事を並行して抱えている人は1日をヨコに切ると良いとのことだ。
タテに切る
- 1年を10~2週間単位まで3分割していく
- 1年:5,3,4ヶ月 → 5ヶ月:50,50,50日 → 50日:16,16,16日×3
ヨコに切る
基本的にオンライン上のコミュニケーションは非同期なので、渡しの場合は朝は集中タイムで夜にメンションを返すというのならできそう。
ここまでをまとめると、以下の3点に集約される:
- 大きな仕事は縦に切り分ける
- 複数の仕事が並行するときは1日をヨコに切る
- それでもダメなら納期延長を申し出る
当たり前のことじゃん、って思う人はたくさんいそうだけど言うは易く行うは難し。
一見問題なくこなせていそうでも実は私生活時間を削ってギリギリの状態でやってる人も結構多いのではなかろうか。
大事なのは、安定的に仕事を終わらせられる状態を保てているかどうか。
で、本書の最後の方では「そもそも好きなことなら先延ばしにしたりしないよね」という根本を問うている。
やりたい仕事なら、会社や社会の成長に繋がるのならどんどんやるはず、でももし今そういう状況じゃないなら、この時間術を使ってSlack(余裕)を作り出し、本当に自分の好きなことを見つけようよ、と書いてあります。
これは本当にそうだと思う。興味あることだったら勝手にやるよなって。
度々今までの自分を振り返って考えて思うことだけど、自分は嫌なことは本当にやらなくて、取り掛かるまでにめちゃくちゃ時間がかかる。
あと、やる意味が理解できないときとかもやれない。デメリットもあまりなく経験になったり運動になりそうなら単純作業でもなんにも考えずにやることはあるけど、え、なんでそれやる必要あるの?惰性でやってんじゃないの?って思ってしまったらもうやる気ゼロになる。
例えば私は料理はかなり好きな方で、わざわざ英語やフランス語を調べてまでレシピ読み漁ったりしている。
必要だから調べて学んで、何かを生み出していく。
つまりはそういうことだよな、と。
仕事もそうであれば辛いとは思わなくなるはず。勿論やりたくない雑務は必ず発生するが、やりたいことをするためにやるなら気にならないというのもわかる。
究極な話、好きなことじゃないから先延ばしにしてしまって作業が終わらないのかもしれない。
今後自分がやりたいことってなんだろうな、とじんわり考えるきっかけになった本だった。
追記
やりたい事を理解してもらいたいならプロトタイプを作れ!ってのも良かった。
やはり想像することには限界があるから、その場で見て仕組みがわかるモノや動くモノがあると周りも判断しやすいよね。
研究室時代のボスがよく言っていた「デモは正義」というのは正しい。