Domain Driven Design Quickly Online を読んでいく。 その2
Domain Driven Design Quickly Online を読んでいく。 その1 - 僕とコードとブルーハワイ
の続き。
読んでいる本
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ユビキタス言語
ユビキタス言語とは、ドメインの専門家とソフトウェアの専門家の両者が正しくドメインを理解/表現するための共通言語のこと、と捉えた。
例えば、ドメインモデルの作成の過程で、ドメインの専門家は自己の専門範囲である業務の専門用語を使い、ソフトウェアの専門はプログラミング脳でドメインを捉えてたり技術的な専門用語などで説明してしまったりする場合、両者の間で共通の認識を得ないまま、ドメインモデルを構築してしまう。
そうなってしまうと、
ドメインについての正しい表現は記録されず適切でない表現の中に埋もれてしまったり、
相手がわかるように簡単な(と思っている)言葉で説明することに消耗したり、
専門分野を理解しなければいけないがためにまた別の今回限りな専門用語を生み出してしまったり
する。
ドメインモデルの構築、そして設計が困難になってしまう。
これを回避するために、ユビキタス言語(共通言語)を使っていこうね、というお話。
では、ユビキタス言語(共通言語)はどのように構築するか。
監視システムの例を読むと、
ユビキタス言語というものはこれだ!と言って名付けるものではなく、ドメインモデルを構築していく過程のお互いの会話から発せられた、ある程度まとまった概念を持つ単語の持つ意味の認識をすり合わせていく、という作業に考えられた。
そして、すり合わせをした結果できた概念(ユビキタス言語で表現できるもの)をドメインモデルに反映してみて、齟齬をなくしていく、というのが理想なのだろう。
ちなみにユビキタス言語を構築することで得られるコードを書くときの恩恵はこの文章に集約されていた。
ドメインモデルの概念をクラスへと実装することで、ドメインモデルとコードを対応づけることができます。そして、それは共通言語とコードを対応づけることでもあります。しっかり対応づけられていると、コードが読みやすくなり、コードからドメインモデルを再作成できるようになるのでとても役に立ちます。
ふむふむ。
今の仕事でユビキタス言語っぽいものがwikiにまとまっていたりしていて、コードにもそれらが反映されているんだなーというのがなんとなくわかって、それって仕様把握に一役買っていて私は結構助かった記憶がある。
ただ、この本にも書いてあったけどユビキタス言語はどんどん変化していくものだからwikiと同期しないといけないよねという話がある。
それを怠ると、なんでこの名称になったんだっけどか、この部分何に使ってんの?もういらないやつだっけ?とかなったりして、チャットのログやチケットから経緯を追ったりしないといけなくて、結構辛くなってしまうんだよなこれが。(†戒め†
では、ユビキタス言語はどう表現すればよいのか。
UMLは、クラスやその属性、クラス間の関係を表現するのが得意です。 しかし、クラスの振る舞いや制約を表現するのは簡単ではありません。そのた め、UMLでは図のなかにメモを入れて文章で補足します。したがって、UML ではモデルについての2つの重要な側面、つまりモデルがあらわす概念の意味 とオブジェクトがするべきことを伝えられません。
UMLは全体像を把握するには良いけど、実際のところどういう働きをするの?って部分を表現するのは不得意だよねーという話。
では、「モデルがあらわす概念の意味とオブジェクト」をどう表現したら良いかというと、
この本では、モデルをあらわすクラスたちの関係やその説明文や画像などを図に起こすといいよ、と書いてある。
雑にいうと、各ドメインについて理解できるように、膨大なクラス群を適切なモデル単位の概念に集約・区切っていこう、という話だと思われる。
すなわち、ソフトウエアアーキテクト、開発者、ドメインの専門家を含む設計チームに必要なのは、作業を統一し、モデルの作成とコーディングを助ける共通言語だということです。
上記の言葉で第2章は締め括られている。
しかし、ユビキタス言語の構築は思っているより難しいところだなぁと感じる。
今日はここまで。