僕とコードとブルーハワイ

omega (@equal_001) の日記

その場にあるモノに向き合う良さ

近所に素敵なお店がある。
酒屋さんなんだけど、外に角打ちスペースがあり、真澄の大吟醸が1合300円とかで試飲できたりする。
日本酒は選りすぐりのものばかりで、ツマミも酒飲みが好みそうな "わかっている" 物が多い。
不思議なもので、質の良い酒はちょっと多めに飲んでも次の日に持ち越さない。

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日本酒が多めだがワインやビールもある。

素敵ポイントは何も酒だけではなく、そこに集まる「人」が良い。
ほぼ常連さんで構成されたその場は、フラッと初めて訪れた私も優しく受け入れてくれた。
この土地で生まれて育った店主夫婦とその息子夫婦、店と60年来の付き合いのある常連、店主の息子達が経営している飲食店の常連、一見さん。
いつも4~7人くらいが居て、様々な会話が飛び交う。熱燗を飲みながらその人達の話を聴く。


ふと、こんなに心の底から落ち着いて人と会話することは最近していなかったな、と思った。

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冬になると窯で熱燗をしてくれる。


仕事柄ノートPCを常にいじっているのだが、気付いたらいつも画面の向こうの世界ばかりみていた。
四六時中SNSやチャットに張り付いたりパソコンで適当なコンテンツを消化する日々。
常に何かしているけれども、充実しているとは言えない、無駄に時間を消費し自身の糧となることができていない虚しい感覚。
何も成し遂げていないのにいつも何かに追われている感じがあり、去年は特にその感覚が大きくなっていて、自分は一体この数年何してたんだろうかと考えちゃったりして、なんだか疲弊していた。


だがこのお店に来てから、自分が腰を据えて目の前にあるモノと向き合えている、と久し振りに実感できている。
最近忘れっぽくなっていたと思ったのに、あの場で聞いた話はしっかり覚えている。
多分、適度にリラックスした状態で情報をインプットしたので脳内の情報整理もきちんとされたんだと思われる。

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運が良いとおつまみが出てくる。これがまた酒と合って美味しい。


なんとなく、3~40代になると凝った料理やキャンプにハマる人達の気持ちが少しわかる気がした。
単純に、落ち着くんだよな。
子供の頃は重い責任もあまり無く、ひたすら外界からの情報に対して純粋だった。一つ一つの物事をじっくり考える時間も余裕もあり、だからこそ知識の吸収が早かった。
でも、成長するにつれてやるべきことが増えて頭の片隅には常に仕事や雑務のことが過る。スキマ時間に趣味の時間をとったところで本当の意味でリラックスできない。


たぶん今の自分に必要なのは、その場の情報に集中できる時間と環境なんだな、と熱燗を飲みながらじんわりと思った。


料理やキャンプはその観点からするととても良い趣味だと思っていて、準備や調理に集中しないといけない時間がたくさんあるので余計なアレコレを忘れることが出来るんだよね。
私が料理やジムがストレス発散になるのはそういう理由からなんだと思う。
本当はたとえ10分の自由時間だったとしてもそういったON/OFFの切り替えが1上手くできたら良いんだろうけど、まだまだできないなー。
なので環境から少しずつ整えるのが良さそうと考えている。

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焚き火を眺めながらの外飲み。キャンプしているような気分になれる。


去年の12月に断捨離をしたり人付き合いの仕方を変え始めた。
無駄にSNSに張り付いたりどうせすぐに忘れるような内容のYoutubeとか番組を殆ど観なくなった。
一緒に居ても別に楽しくなかったり自分を傷付ける人とは無理にコミュニケーションを取らなくなった。
その代わり、散歩、読書、料理、運動、勉学、人と会話する時間等を増やした。

今まで一ヶ月があっと言う間に過ぎていたのに、今は一週間が長く感じる。多分それは生活が充実しているからだ。
心も穏やかだ。
今は本当に自分が興味のあるもの、大事にしたいものや私を大事にしてくれるものに時間を使えている。

多分、コロナ禍だったからこそこのタイミングで上手く整理できたんだと思う。
自宅勤務になって、時間が増えて、余白時間が増えた。
多分あと1年はこの状態が続くだろうから、この環境を大事にし、忙しくなっても大丈夫なように基盤を固め、何時どんなときでも目の前のモノたちとじっくり向き合えるようにしていきたい。

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一斗缶の焚き火。ゆらゆらと揺れる炎を眺める時間は贅沢。